静岡県の須崎御用邸に向かう天皇ご一家 (代表撮影)
静岡県の須崎御用邸に向かう天皇ご一家 (代表撮影)

 天皇、皇后両陛下は8月1日、長女愛子さま(17)と一緒に、静岡県下田市の須崎御用邸を訪れた。5月の即位後、初めての一家そろっての静養となった。今秋には、即位の礼や大嘗祭などの重要な儀式を控えているが、皇后は笑顔を絶やさず、輝きを増している。ご成婚から取材を続けてきたジャーナリスト・友納尚子氏がその理由を語る。

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「即位して約1カ月後、ドナルド・トランプ米大統領夫妻を国賓として迎えられた際、雅子さまは通訳を介さずメラニア夫人とフランクに会話されていた。メラニア夫人が過去に行った演説などの資料を取り寄せ、夫人が何に興味をお持ちで、どんな会話をするかをご進講を始め事前に入念に準備されていたそうです。幼い頃から海外で暮らした経験とご結婚まで外務省で培われたキャリアが生かされたことが、お喜びにつながって雅子さまは輝きを増されているように見えました」

 雅子さまのご成婚当初からの趣味は「歩くこと」。天皇の趣味は「登山」で、両陛下はプライベートで東京都青梅市の高水三山、北海道の羅臼岳などに一緒に登るなど、仲睦まじく過ごしていたが、間もなくして輝くような笑顔は消えた。一体、菊のカーテンの奥で何が起こったのか。その答えを求め続けた友納氏はご療養中の16年間にわたる取材の集大成として雅子さまの実像を描いた『皇后雅子さま物語』(文春文庫)を7月に刊行した。

 愛子さまが4月に毛筆で「令和」と書いた半紙を自室に貼って、雅子さまは即位に向けてお気持ちを奮い立たせていたという。

 6月に、即位後初の地方公務で愛知県を訪れた両陛下は、第70回全国植樹祭の式典に出席。その後、心身に障害を持つ人たちが入所する「愛知県三河青い鳥医療療育センター」にも足を運んでいる。

「福祉に関心の高い雅子さまは、ただ頷くだけでなく、幅広く声をかけていらっしゃいました。他の施設でも、入所者だけでなく職員や障害を持つお子さんを支える親にも、『大変でしたね。頑張ってください。お母さんあってのお子さまですから』と労(ねぎら)いの言葉をかけ、時間をオーバーするほどお話をなさっていた。雅子さまも、陛下も実に嬉しそうで、表情に変化が感じられました」

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