藤蔭(大分)の竹下大雅監督(26)も、昨年4月に部長に就いて今年2月に監督を引き継いだばかり。8日の初戦では馬淵史郎監督(63)が指導する明徳義塾とぶつかり、今大会の最年少と最年長の監督の対戦となった。

 六回表を終えて0―6とリードされ、一方的な試合になりかけた。だが、その裏に打者一巡の猛攻で4点を奪い返した。

 惜しくも及ばず、こう話した。

「こちらがやりたいことをやってくるところが、伝統があり、甲子園で勝ち上がっている学校だな、と痛感しました」

 一方で、選手たちについてはたたえた。

「監督として、どうやったら選手たちがいつも通りプレーできるのか悩んだんですけど、選手にものすごく助けられました。4点入れた時も、後ろにつなぐ意識という、いい雰囲気を選手たちがつくってくれました」

 馬淵監督との経験の差を問われると、「リードしている時にこっちに流れを渡さないように足を使ったりされていた」。

 ただ、年齢差は気にならなかったという。

「野球というスポーツなので、勝つ・負けるが必ずつくもの。特に意識はしませんでした」

 佐賀北(佐賀)の久保貴大監督(30)は、自身が同校のエースとして“がばい旋風”を巻き起こし、優勝した07年以来の甲子園の土を踏んだ。当時以来の12年ぶり勝利に注目が集まったが、大会初日(6日)に神村学園(鹿児島)との九州対決で敗れた。

 4監督のうち唯一勝ち上がったのが、母校・国学院久我山(西東京)を率いる尾崎直輝監督(29)だ。8日の初戦は13年優勝の前橋育英(群馬)と激突。西東京を制した打力と積極的な走塁で、堅守で名高い相手から4失策を誘い、7―5で競り勝った。

 大学卒業後の13年に監督に就任したため、指導歴は4監督の中で最長だ。「最初就任した時は23歳。『とりあえず頑張ろう。おー!』と勢いで就いた感じだった」

 次戦は強力打線を誇る敦賀気比(福井)。“平成世代監督”の代表として、どんな試合運びを見せてくれるか、楽しみだ。(本誌・緒方麦、田中将介)

※週刊朝日オンライン限定記事