巨人の菅野智之(C)朝日新聞社
巨人の菅野智之(C)朝日新聞社
侍ジャパンの稲葉篤紀監督(C)朝日新聞社
侍ジャパンの稲葉篤紀監督(C)朝日新聞社

 巨人が失速してセ・リーグの首位争いが混沌(こんとん)とする中、優勝争いのカギを握るのがエース・菅野智之だ。プロ7年目の今季は8勝5敗、防御率3.90(8月8日現在)。入団以来これほど苦しんでいるシーズンはないだろう。

【写真】侍ジャパンの稲葉篤紀監督

 シーズン序盤から異変が生じていた。5月15日の阪神戦(東京ドーム)で5回3分の2を投げて11安打10失点。4被弾のメッタ打ちを食らう信じがたい光景だった。

 同月21日に腰の違和感で登録抹消されて復調を期したが、戦列復帰後も輝きを取り戻せない。交流戦の優勝がかかった6月23日のソフトバンク戦(東京ドーム)に先発登板したものの、プロ最短の二回途中4失点で降板した。

 その後も調子が上がらず、7月2日の中日戦(東京ドーム)で勝利投手になって以来、1カ月以上も白星から遠ざかっている。8月8日の中日戦(東京ドーム)は7回1失点と粘投したが、救援陣が打ち込まれて引き分けに。運からも見放されている。

 菅野の不調の原因は何だろうか。他球団の首脳陣に話を聞くと、意外な答えが返ってきた。

「腰の違和感から復帰以降は良い球がきているし、なかなか打てないよ。ただ、フォームに昨年までのような躍動感はないかな。毎回手探りで投げている感じがする。手も足も出ないという感じではない」

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菅野は本調子を取り戻せるか