「ほどよく体を動かすから逆に疲れなくなる。サポーターになってからも楽しいことばかり。参加する皆さんの表情がいいんだ。そう、一緒に体操している皆さんから体を動かすことの大切さを教わっているね」

 体操が終わっても、体を動かした余韻というのか、皆さんのおしゃべりが続いた。その表情は本当にいきいきしている。新宿いきいき体操、いいね!

 東京23区内のほかにも、全国各地にはユニークなネーミングの「ご当地体操」がある。公益財団法人「健康・体力づくり事業財団」の「2018全国ご当地体操実態調査」によると、その数は775体操。最寄りの役所で確認して、ぜひ講習会などに参加してみてほしい。

「♪新しい朝が来た 希望の朝だ」

 気軽にできる体操の元祖と言えば、このテーマソングでおなじみの「ラジオ体操」だ。『一生動けるカラダをつくる!最高のラジオ体操』(朝日新聞出版)を監修した、全国ラジオ体操連盟理事長の青山敏彦さん(82)は、こう語る。「ラジオ体操は特別な道具もいらず、いつでもどこでも約3分でできる効率性の高い運動なんです。早起きした時間を有効に使えることもあって、ハマってしまう人がたくさんいます。私自身がそうですが、始めて50年。ラジオ体操病ですね(笑)」

 同連盟によるとラジオ体操人口は約2800万人。メインは夏休みの子どもたちだが、中高年の参加者も年々増えているようだ。

 ラジオ体操は「健康・金・孤独対策」の「お宝3K」に効くとアピールする青山さんは、続けることで「背骨のゆがみ、運動機能低下、筋力の衰え」の「3大固癖」を取り除く効果も期待できると言う。固癖とは健康被害になり得る運動不足による悪癖のこと。伸びの運動や体を前後に曲げる運動など、主に「伸ばす運動」が三つの固癖の改善につながるそうだ。

 青山さんは「残念なことに約8割の人が自己流のラジオ体操をしていて、本来の効果を引き出せていない」と言い、次の三つの点を意識することで効果がアップすると強調する。

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