「つつじのポーズ」(左)、「歌舞伎のポーズ」 (撮影/羽富宏文)
「つつじのポーズ」(左)、「歌舞伎のポーズ」 (撮影/羽富宏文)
都内の主な介護予防体操 ※各区のHPから (週刊朝日2019年8月16日―23日合併号より)
都内の主な介護予防体操 ※各区のHPから (週刊朝日2019年8月16日―23日合併号より)

 決めは「歌舞伎のポーズ」! 新宿区オリジナルの介護予防体操「新宿いきいき体操」など、地域色を出したユニークな「おもしろ体操」がシニアに人気だ。気軽に取り組めて、健康増進に効果がある「おもしろ体操」、始めてみませんか?

【都内の主な介護予防体操をご紹介!】

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「♪夜がまぶしい 歌舞伎町~。はい! 歌舞伎のポーズ」

「新宿いきいき体操サポーター」と呼ばれる坂本光圀さん(77)と桐山佳子さん(74)の両インストラクターの掛け声に合わせて、参加者が一斉に「歌舞伎のポーズ」を作る。手足の動きを誇張する歌舞伎の演出をモチーフに、転びそうになったときの体の動かし方をトレーニングできる。

 5月末日。記者がお邪魔したのは新宿区内の地域交流館で開かれた「新宿いきいき体操」の講習会だ。

 皆さん、表情は真剣そのもの。室内は熱気とパワーがあふれていた。

 参加者は平均年齢約70歳の男女20人。元気なシニアが定期的に一堂に会し、汗を流している。

 新宿いきいき体操は、新宿区オリジナルの介護予防体操だ。区民、早稲田大学スポーツ科学学術院、新宿区の担当者が検討を重ね、2008年度に誕生。ことしで11年目を迎えた。

 地元ならではの動きがユニークだ。「平成新宿音頭」という曲に合わせて、区の花のつつじや歌舞伎など、新宿区に縁のあるものが盛り込まれ、ストレッチや筋力増強、バランス能力アップが期待できる。

 音頭には「内藤新宿」「神田川」「早稲田」など、新宿区にゆかりあるワードがちりばめられている。

 区の花のつつじのポーズは「両肘を引き上げながら、両方の手のひらを胸の前で外に向けて、開いた花をイメージ」する。

 記者もやってみたが、簡単そうに見えて伸びるところはしっかり伸びる。すぐ汗びっしょりになった。

 この日の参加者の最高齢で区内に住む吉田ミチ子さん(93)は「全く疲れませんよ。いい体操です。皆さんに会えるのも楽しくて」とにっこり顔だ。

 普及を担う「新宿いきいき体操サポーター」は登録人数が300人を超えている。講習会や敬老会などのイベントで魅力を伝える。サポーターの一人、背筋がピシッと伸びている前出の坂本さんは、こう話す。

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