謝罪会見での宮迫博之と田村亮 (c)朝日新聞社
謝罪会見での宮迫博之と田村亮 (c)朝日新聞社
落語家、桂小軽さん
落語家、桂小軽さん

「同じ不祥事で吉本興業を辞めた人間として今回の騒動を見ていると、どうも腑に落ちませんな。宮迫(博之)君、(田村)亮君にもうちょっと自己責任という思いがあらへんかという感じがしますわ」

【写真】落語家・桂小軽さん

 こう話すのは、かつて吉本興業に所属した落語家、桂小軽さん(68)だ。関西大学卒業後、3代目桂小文枝(5代目桂文枝)に入門。テレビのバラエティー番組で、ライオンがいる檻に放り込まれ、かまれたことから「ライオンにかまれた男」として有名になり、レギュラー番組を最高12本持つほどの売れっ子になった。

 だが、2015年11月、相続税法違反容疑で大阪地検特捜部に逮捕されたことで暗転する。その後、不起訴となったが、吉本興業を去ることとなった。

「事件は私の長年のタニマチが遺産相続したはいいが、相続税で困ってますねんというので、いろいろな人を紹介した。私は報酬などもらっていないのに、逮捕されました。拘置所でも何の罪にもならないと確信はしてました。後に不起訴になりましたが、芸人としては絶対、あってはいけないこと。拘置所にいるときから長年、お世話になった吉本興業には戻れんなと覚悟はしていた」

 保釈になった後、吉本興業から呼び出しを受けて、事件の説明に何度も出かけたという。吉本興業の幹部に加えて吉本興業にいる社員の弁護士などが応対したそうだ。

「私はきちんと、タニマチのことを思って純粋な気持ちで人を紹介しただけと、会社には説明しました。弁護士さんからも細かなことを聞かれ、そこもしっかり説明しました。そして、会社の方から『不起訴でもこういうことになってしまったからな…』と言われて、私は『会社の言う通りで、逮捕までされてしまったので身を引きます』と吉本興業を離れる決意を伝えました。だから解雇されたわけではなく、円満退社というんですかな、そんな感じですねん」

 小軽さんは1980年頃、7年ほど吉本興業を離れて東京に進出していたことがあった。

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