Q:夏の甲子園で優勝した唯一の工業高校とは?

A:三池工(福岡)
 101回目を迎える大会のなかで全国制覇を達成した工業高校は65年の第47回の三池工のみ。同校の監督は、巨人の原辰徳監督の父・貢氏。初陣での快挙だった。三池争議や炭じん爆発、炭鉱の不況などで苦しんでいた地元・大牟田の市民は沸き返り、凱旋(がいせん)パレードの沿道は多くの観衆で埋め尽くされた。赤いオープンカーに乗り込んでパレードする選手たちの様子が色鮮やかに写真に収められている。

Q:公立校で唯一、春夏連覇したのはどこ?

A:箕島(和歌山)
 尾藤公監督率いる県立高で、79年の第61回に史上3校目の春夏連覇を達成した。また、3回戦の星稜(石川)戦は「高校野球史上最高の試合」として語られている。延長十二回と十六回に1点リードされたが、どちらも2死から本塁打で追いつき、引き分け直前の十八回にサヨナラ打で3時間50分の熱戦に終止符を打った。

Q:沖縄県に初めて深紅の大優勝旗が翻ったのは第何回大会?

A:第92回(2010年)
 興南(沖縄)が沖縄勢初の夏制覇を、史上6校目の春夏連覇という快挙で飾った。沖縄勢の初出場は第40回の首里。当時は米国の統治下にあり、植物防疫法により甲子園の土を持ち帰れなかった。それから52年後に大優勝旗が翻った。地元に凱旋した興南の選手を一目見ようと、空港には多くの市民が詰めかけた。

Q:1試合22奪三振の大会新記録を達成した投手は?

A:松井裕樹(神奈川・桐光学園)
 記録達成は2012年の第94回の1回戦、今治西(愛媛)戦。2年生左腕の松井は六回1死から10連続三振を奪い、最多連続奪三振記録もつくった。全4試合で奪った三振は、史上3位の68個となった。

Q:昨年の第100回の準々決勝で、金足農(秋田)が近江(滋賀)相手に記録した史上初のプレーとは何?

A:逆転サヨナラ2点スクイズ
 好投手・吉田輝星を擁して快進撃を続け、“金農旋風”を巻き起こした金足農。近江戦では1点を追う九回裏無死満塁、9番・斎藤璃玖が三塁前に転がすスクイズを決め、三走・高橋佑輔に続き、二走・菊地彪吾も生還した。

(構成/内山賢一)

週刊朝日  2019年8月9日号