「代表的な症状は、冷や汗や吐き気、おう吐、便意など。これらが急な痛みと共に起こったら、危険な病気の可能性があるといってもいい。痛みと関連がないかもと自己判断せず、医師に伝えましょう」(生坂さん)

 また、手術などの病歴も医師に伝えておくべき情報だという。とくに高齢者は気を付けたい。

「高齢者は、背中が痛い、腰が痛いといってX線を撮れば、何かしら変形は見つかるもの。これくらいなら大丈夫といって経過観察をしていたら、実は重大な病気だったということも、ないわけではありません。患者さんも『腰が痛い』『背中が痛い』と言うだけでは、医師に重要な情報が伝わりにくい。病気を見逃さないためにも、患者さん側からしっかり伝えることが大切です」(日本大学名誉教授の小川節郎さん)

【痛みの伝え方】
O(Onset)発症時期(急に痛くなったか、以前から痛いか)
「昨日の朝、起きたとき」「1カ月ぐらい前から」など
P(Provocative/Palliative)何をすると痛みが強くなるか、よくなるか
「体を動かすと痛くなる」「空腹時に痛くなる」「寝ているとよくなる」など
Q(Quantity/Quality)痛みの強さ(痛みなしを0、最大の痛みを10とした場合、どれくらい痛いか)
「今まで経験したことのない痛み」「食事がとれないほどの痛み」「10のうち8ぐらいの痛み」など
R(Region/Radiation)痛む場所
「おへその上あたり」「左側の首から肩にかけて」「背中の奥のほう」など
S(Associated symptom)痛み以外の症状
冷や汗、吐き気、発熱、めまい、ふるえ、胃の不快感、下痢など
T(Time course)経過
「24時間ずっと痛い」「痛くなったり、よくなったりを繰り返す」「だんだん痛みが強くなってきた」など

週刊朝日  2019年8月9日号