決定的瞬間が訪れたのは6月30日のこと。鉄道模型店の裏手を通る黒い影が店の曇りガラス越しに見えた。しかもその影はしゃがんだ。店員が急いでカメラを持って裏手に回り、「何をやっている!」と声をかけると、男はズボンが半分ずり下がったまま逃走した。黒いTシャツにリュックを背負った30代くらいの男性だった。

 店では証拠写真の顔部分を隠し、「脱糞現行犯」としてポスターを作り、被害多発地域に貼り出した。この事件がテレビのワイドショーで「うんこマン」として紹介されると、ネットは大騒ぎになった。

 写真を見た被害店の店長や社長によると、その男性は周辺では知られた常連。しかも目撃された後も秋葉原に来ていた。

 ネット上では、この30代とされる男性の写真と、名前や出身地が公開され、騒ぎとなっている。だが、ある弁護士は言う。

「実際に立件されるまでには、なかなかいかないのではないでしょうか」

 秋葉原と排泄物という、とんだ組み合わせで注目された“事件”。すっきり解決するのは難しそうだ。(本誌・鈴木裕也)

週刊朝日  2019年8月9日号