大船渡・佐々木の決勝戦登板回避でスカウトの本音 「決勝で能力、見たかった」  〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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大船渡・佐々木の決勝戦登板回避でスカウトの本音 「決勝で能力、見たかった」 

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牧忠則週刊朝日
岩手県大会決勝でベンチだった大船渡・佐々木朗希投手(C)朝日新聞社

岩手県大会決勝でベンチだった大船渡・佐々木朗希投手(C)朝日新聞社

 高校野球の岩手県大会決勝でプロ注目の大船渡・佐々木朗希が登板回避したことが波紋を呼んでいる。

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 佐々木は最後までマウンドに上がることはなく、花巻東に2-12で完敗。佐々木目当てで球場に詰めかけたプロ野球、メジャー球団のスカウトも拍子抜けした。

 パ・リーグのあるスカウトはこう評価した。

「決勝戦で投げなかったのはびっくりしましたね。佐々木の将来を考えて首脳陣が投げさせない判断をしたのでしょう。現に将来を有望視された投手が高校で投げすぎて肩、肘を壊したケースを何度も目にしてきました。なかなかできない英断だと思います」

 だが、複雑な表情も浮かべ、こんな本音も。

「ただ、プレッシャーのかかる試合で投げるとその投手の能力が引き上げられます。決勝の舞台でどれぐらいの投球パフォーマンスを発揮できるか見たかった部分も正直ありましたね」

 佐々木は今大会で決勝戦まで投げた球数は計435球。16日の2回戦・遠野緑峰戦で19球、18日の3回戦の一戸戦では、6回無安打無失点で93球を投げた。21日の4回戦の盛岡四高戦は延長12回を投げ抜いて194球の熱投。22日の準々決勝は温存され、24日の準決勝の一関工業戦では15奪三振完封勝利で129球。肩、肘に違和感や痛みはなく、体に張りがあった程度だったという。状態を考えれば、翌25日の決勝戦も連投で登板できる状況だった。

 しかし、3年間見守り続けてきた監督にしかわからない状況もあるだろう。決勝戦後、国保陽平監督はエースの登板回避について理由を聞かれ、
こう答えた。

「素晴らしい舞台が決勝戦を勝てば待っているのがわかっていたが、今まで3年間の中で、一番壊れる可能性が高いかなと思って私には決断できませんでした」

 国保監督の決断に賛否両論の意見がある。球界のエースになれる可能性を秘めた佐々木は将来を見据えて高校3年間を過ごす。だが、高校で甲子園を目指すことに情熱をかける選手はケガをしても良い覚悟で戦っている。決勝戦でエースが投げずに甲子園の切符をつかめなかった現実を考えなければいけない。

 以前から指摘されているのが過密日程だ。特に準決勝、決勝の間に休養日がない県予選の日程が多い。今回の岩手県大会も準決勝と決勝の間に1日の休養日を挟めば、佐々木が決勝のマウンドに立っていた可能性はあった。もちろん、1人のエース投手に依存するチーム作りは球数過多になる危険性があるため避けなければいけない。

 ただ準決勝、決勝は互いのベストの戦力で戦うことを選手たち、高校野球ファンは望んでいるだろう。1、2回戦は多少の過密日程になっても致し方ない部分がある。大きな反響を呼んだ佐々木の決勝戦登板回避は、休養日の設定について考える良い機会ではないだろうか。(牧忠則)

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