高校時代には陸上部で県大会2位になるほど大活躍したが、大学ではサークル活動をせずにアルバイトに精を出した。野球場でのビールの売り子など、多い時で六つのアルバイトを掛け持ちしていた。

「とにかくバックパッカーに憧れて、旅行資金を稼ぐためアルバイトはたくさんしました。ベトナム、カンボジアをはじめ、大学4年生の時にはヨーロッパへ。北欧から東欧を5週間バックパックしました。テレビも旅番組が好きで、実際に自分も目で見て感じたことを伝えたいと思ったのがアナウンサーになりたいと思った原点でした」と上村さん。

 その思いどおり、ロンドンの世界陸上、平昌オリンピック、ジャカルタ・アジア大会、八村塁選手で注目が集まるNBAの取材でアメリカにも飛んだ。現在はスポーツ情報番組「S☆1」(土、日曜夜)、「スーパーサッカー」(日曜夜)など、スポーツを中心に現場に足を運び、自分の目で見て感じたことを伝える仕事をしている。今年秋の世界陸上ドーハ大会では現地に取材に行く予定。世界を旅した経験も役に立っている。

「自分自身は中学・高校でバスケットボールや陸上をやり、野球場でのビールの売り子体験を通して、チームや選手を応援するお客さんの姿を見て、改めてスポーツの魅力を感じた。だから今はスポーツに関わってアスリートの活躍が伝えられるのが嬉しい。将来はオリンピックやワールドカップを伝えられるアナウンサーになりたいので、日々勉強です」

 上村さんには、アナウンサーになって以来、続けていることがある。それは「月に1回、必ずそれまで行ったことのない場所に行く」ということ。

「忙しいのは事実ですが、自分の世界を広げるためと思って、毎月実現させています。今年は友人とメキシコに行ったりもしました」

 表紙シリーズに登場する後輩女子大生たちには、挑戦することの大切さを伝えたいという。

「大学生の頃って、実は不安でいっぱいなんです。私自身もアナウンサーになれたらいいなとは思っていましたが、自信なんてなかった。でも、勇気を出して表紙に応募して、採用されて、改めてアナウンサー目指して頑張ろうという気持ちになりました。表紙撮影が後押ししてくれたと思っています」

(本誌・鈴木裕也)

週刊朝日  2019年8月2日号