73歳でも“獣みたいなランボー” スタローン「半世紀のキャリア」語る (3/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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73歳でも“獣みたいなランボー” スタローン「半世紀のキャリア」語る

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高野裕子週刊朝日
シルベスター・スタローン (c)Festival De Cannes

シルベスター・スタローン (c)Festival De Cannes

カメラの前でおどけるスタローン (c)Festival De Cannes

カメラの前でおどけるスタローン (c)Festival De Cannes

──後悔していますか?

「深く後悔している。自分について回るわけだし。娘によく言われるよ。“よくこんなクズな映画作ったわね?”と。“お前の学費がどこから出てると思うのか! 黙れ”みたいな会話になるんだよ(笑)」

──その後「コップランド」(97年)によって俳優人生が救われたようですが。

「ジェームズ・マンゴールドは偉大な監督だよ。あの映画で、肉体だけの演技をやめた。クロワッサンにパンケーキ、フレンチトーストを食べ体形を変え、目で演技をした。筋肉でなくボディーランゲージで演技した。奇妙な映画だよ。僕は最も弱い男の役で、ハーベイ・カイテルやデ・ニーロなど共演者にいろいろ罵声を浴びせられた。アクション映画だったらとっくに皆殺しにしてるな、って思ったんだ(笑)。アクション俳優は演技できないという偏見もあった。じゃあ彼らのような演技派俳優に挑戦してみようじゃないかってね。楽しい仕事だった」

──ランボーは単なるアクションヒーロー以上の存在だと感じるようになったのはいつでしょう?

「僕は全く政治に無関心な人間で、投票したことさえなかった。だからランボーには政治的な意図は全くないんだ。最初はおもしろい話だと思った。リサーチしてみると、ベトナムから帰国した元兵士の自殺率が非常に高いことを知った。原作では、ランボーは精神的に病みすぎて最後は殺される。彼はフランケンシュタインだった。だが、それは僕が映画に込めたメッセージではなかった。年間、帰還兵2万5千人が自殺した状況を考えると責任の重い映画だと思った。それでランボーが心を開き、傷や痛みを観客と分かち合ったらどうだろう、と考えたんだ。政治的なコメントを込める気持ちはなかったんだけど、結果的にはそうなってしまったね」

──ベトナムを象徴することに……。

「一度レーガン大統領に会ったとき、“ランボーを見たよ。彼は共和党だよね”って言われたんだ(首をうなだれ、大笑)。ランボーは決して家に帰らない。いつもジャングルとかアフガニスタンなどへと去っていく。でも新作『ランボー5:ラスト・ブラッド』では家に戻るんだ。でも頭の中では、永久に家にはたどり着かないんだよ。彼はここにいるようで、ここにいない、というのがコンセプトなんだ」

(取材・文/高野裕子)

週刊朝日  2019年7月19日号


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