名護市辺野古で新基地建設が強行されている沖縄は、野党候補の高良鉄美氏が、安里繁信氏を圧倒している。

 角谷氏が政府の対応を厳しく批判する。

「参院選でも野党のオール沖縄陣営が勝つと、玉城デニー氏が制した知事選、豊見城市長選、那覇市長選、今年2月に実施された辺野古埋め立ての是非を問う県民投票、4月の衆院沖縄3区補選に続いて、6連勝になる。毎回、明確に民意を示しているのに、政府はまったく顧みようとしない」

 また、角谷氏は無風地帯と思われる北陸の石川に着目している。

「国民民主の田辺徹氏は支援集会で『比例は共産党に』と言い始め、大きな変化の兆しを感じます。『共産党とは組めない』とかたくなな野党候補は多いが、この壁を乗り越えられるかどうかが、議席積み上げのカギとなるでしょう」

 一方、広島ではポスト安倍の代理戦争とみまがう選挙戦も。広島は岸田文雄政調会長率いる岸田派の牙城だ。岸田派の重鎮、溝手顕正氏が6選を目指して出馬予定だ。これまで自民と非自民で2議席を分け合ってきたが、自民党が圧倒的な票を集めてきた。そこに官邸が目をつけて、新人の河井案里氏を2人目として擁立。これに対して県議の一人はこう憤る。

「河井さんの夫は首相の側近で、菅官房長官とも近い。さっそく菅さんが応援演説に来るほどです。2人目の擁立は党勢拡大のためというが、菅派拡大のためではないか。われわれはそのために票を集めてきたわけではない。党広島県連が河井陣営を支援することはない」

 河井陣営に選挙状況を尋ねると、「厳しい戦い。あくまでも自民党で2議席獲得を目指すだけだ」。

週刊朝日  2019年7月12日号