シューズ事業に意気込むZOZOの前澤友作社長
シューズ事業に意気込むZOZOの前澤友作社長
ZOZOMAT(ゾゾマット)に足をのせスマホで撮影することで、足の形状やさいずがわかる
ZOZOMAT(ゾゾマット)に足をのせスマホで撮影することで、足の形状やさいずがわかる

「ZOZOMAT発表です。スマホで足が3D計測できます」

【ZOZOMATの写真はこちら】

 こう6月24日につぶやいたのは、衣料通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOの前澤友作社長。ツイッターで400万人超のフォロワーに向け、新サービスを自らアピールした。

 ZOZOMATに足をのせスマホのカメラで撮影することで、足の形状やサイズがわかり、オリジナルの靴が注文できるサービスを今秋から始める。スマホの専用アプリでは足の3次元データが確認できる。マットは用紙に印刷された簡易なもので、低コストで大量配布できるとしている。

 ZOZOといえば、シューズと同様にオリジナルの服が注文できる「ゾゾスーツ」のサービスを2018年に始めたが、失敗した過去がある。

 ゾゾスーツを中心とするプライベートブランド(PB)事業の19年3月期の売り上げは、目標の200億円に対して27億円にとどまった。これがひびいて、会社全体の19年3月期の営業利益は前期比21・5%減の256億円、純利益は20・7%減の159億円。ZOZOが2007年に上場して以来、初の減益となった。つばめ投資顧問代表の栫井駿介さんはこう指摘する。

「ゾゾスーツは計測自体が面倒でした。PBも『欲しい』と思わせる商品がなく、すでにZOZOに出店していたほかのブランドとのあつれきを生みました。シューズについても、マットだけで本当に合う靴が見つけられるのか疑問が残ります。ZOZOの主な顧客はファッションへの関心が高い層なので、PBをどこまで伸ばせるのか不透明です」

 ゾゾスーツに比べ、ゾゾマットはヒットするのではないかとみているのは株式アナリストの鈴木一之さん。

「幅広の足が多い日本人は合う靴が少なく、探すのに苦労しています。単価も安く、利用価値は意外とあるのではないでしょうか」

 スーツの次はシューズで勝負することになった前澤社長。ツイッターではPRのコメントを連投し、意気込む。

「一家に一枚ZOZOMAT。ご家族みなさんで共用いただけます。もちろんお子様の足にも対応予定。成長記録にも」

 夏セールでは「前澤おごり」として、100人の注文代金を全額肩代わり(上限1注文10万円まで)するなど、話題作りも事欠かない。果たしてスーツの借りをシューズで返せるのか。足をすくわれる、なんてことにならなければいいのだが……。(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事