「ちょっぴり季節が感じられるものを添えると、『あら、夏っぽいわね』『あら、いい香り』と、食べること自体を楽しんでくれるので。この塩鯖のえごま油漬けはどんぶりにしてもいいですし、野菜と一緒に和え物にしてもおいしいです」

 母に送るつくりおきおかずのアレンジ法については、

「手紙を同封したりもしますが、LINEでやりとりするほうが母は楽しいようです。『おかず、もう届いた? これはこんな食べ方をしてもおいしいよ』と画像を送ると、返事がすぐに来ます。画像で説明したほうがわかりやすいですし、食事と健康を話題にしてコミュニケーションがとれるので、娘である私も安心です」

 肉や魚などのたんぱく質は、筋肉の材料になる。

「だからこそ親には良質なたんぱく質をきちんと摂取してほしいと思っています」

“親つく”があるならば、離れて暮らす子どもに作って送ってあげる“子つく”おかずがあってもいいだろう。竹原さんのおすすめ“子つく”といったら?

「細切りしたにんじんやパプリカやセロリなど、たくさんの野菜を巻き込んだ肉巻きがいいと思います。私にも社会人になって独立した子どもがいますが、仕事が忙しい若い人たちは食生活において野菜が不足しがちです。細切り野菜の肉巻きはそのままの形で送ってもいいのですが、一口サイズの輪切りにして送ってもいいでしょう。そしてそれは冷凍庫で保存を。時間がないときでも、電子レンジでチンすればすぐ食べられますから、親心と思って食べてほしいです」

 たれやドレッシングもたまに作って送ったりする。「たれやドレッシングは野菜サラダにかけるだけでなく、お刺し身にかけたり。一人で暮らしているとどうしても外食が多くなったり、家で食べるものも毎日似たようなものになって飽きてしまうでしょう。たれやドレッシングを変えるだけでも、食事メニューのバリエーションは広がります。これは子どものほうも使い勝手がいいようです」

 たれやドレッシングは孫に作ってあげる“孫つく”レシピとしても使えそう。

「おかず本体が届くより『お肉やお魚にかけてあげてね』とさりげなく、たれやドレッシングが届いたほうが、お嫁さんの気持ちがラクということもありますものね(笑)。そういった意味でも、孫つくレシピとしても十分に活躍してくれると思います」

 たれもドレッシングも材料を混ぜ合わせるだけ。油淋鶏のたれは唐揚げにかけてもいいが、冷しゃぶや蒸し鶏や水餃子にも合う。

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