岡田将生の「潔さに感服した」ラジオマンが知る素顔とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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岡田将生の「潔さに感服した」ラジオマンが知る素顔とは?

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延江浩週刊朝日#延江浩
延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFMエグゼクティブ・プランナー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFMエグゼクティブ・プランナー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

岡田将生さんが主役を演じる舞台「ハムレット」 (撮影/細野晋司)

岡田将生さんが主役を演じる舞台「ハムレット」 (撮影/細野晋司)

『ハムレット』は父を愛するあまりにその弟を殺そうとする、いわば間接的な「父親殺し」の物語である。

 王族の話なのに観客が自分を登場人物に置き換えることができるのは、天才シェイクスピアのなせる業なのだろう。

 人間が怒り狂うと物語はどう動くのか。

 主人公が常軌を逸した存在に変質すると、周囲はいったいどうなるのか。

 終演後、しばらく心と体の震えが止まらなくなった。ハムレットが憑依(ひょうい)した岡田将生の声が僕をしぶとく覚醒させ続ける印象を持った。彼はあらかじめ主役を約束された俳優のように、思春期特有の衝動を一直線に演じ、共演の黒木華も、想いを寄せるハムレットに実父を殺された悲しみで、発狂してしまうオフィーリアを好演、その歌声はシアターコクーンの天井に向けて切なく、しかしすべてから解放されたように伸びやかに上っていった。

“To be,or not to be”

「生きるべきか、死ぬべきか」という科白はあまりに有名だが、これを自問しながらもハムレットのような人物はどの時代も存在し、父親に象徴される権威を破壊しながら新しい時代を作っていくのだろう。

「僕は本当に舞台が好きなんです。心から」という岡田の脇を固めたのは、ポローニアス役の山崎一、秋本奈緒美、町田マリー、永島敬三ら。彼らは僕の局のラジオドラマの常連ゆえ、客席で目を瞑(つむ)っていてもその声だけで人生の悲劇と喜劇を堪能できた。

週刊朝日  2019年6月28日号


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延江浩

延江浩(のぶえ・ひろし)/1958年、東京都生まれ。慶大卒。TFM「村上RADIO」ゼネラルプロデューサー。国文学研究資料館・文化庁共催「ないじぇる芸術共創ラボ」委員。小説現代新人賞、ABU(アジア太平洋放送連合)賞ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ、ギャラクシー大賞など受賞

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