【Pizza Margherita】
<br />「ピザを持ち上げた瞬間を糸で表現したくて」(刺繍画家のipnotさん)。生地の焼き加減や表面のチーズのとろけ具合の再現も見事なもの (撮影/写真部・小山幸佑)
【Pizza Margherita】
「ピザを持ち上げた瞬間を糸で表現したくて」(刺繍画家のipnotさん)。生地の焼き加減や表面のチーズのとろけ具合の再現も見事なもの (撮影/写真部・小山幸佑)

 最近、インスタグラムで注目を集めているのが、刺繍画家ipnot(イプノット)さんの作品。写実的で、繊細な色使いが特徴だ。

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 ipnotさんが刺繍で作品を作るようになったのは8年前のこと。祖母が刺繍好きで、幼い頃から憧れていたものの、自分には無理だと思っていた。ある日、雑誌で目にした刺繍に興味を持ち、見よう見まねで作ってみたところ、その面白さにハマった。

「いろんなステッチを試した中、一番楽しかったのがフレンチノット。絵は描けないのに、針と糸でなら何でも表現できたんです」

 針に糸を巻きつけてから布に刺す時にできる、小さな結び目がフレンチノット。ピザやのような“3D刺繍”は、ふとした遊び心で、完成した作品から糸を伸ばしてみたのが誕生のきっかけだ。

「昔からミニチュアが好き。小さいのに存在感があって、不思議な魅力が宿っているからです」

 刺繍に出合って毎日が楽しく、幸せというipnotさんが創り出す作品の数々は、見る人の心をときめかせてくれる。(取材/文・吉川明子)

週刊朝日  2019年6月21日号