6月6日、名古屋・栄で車3台が衝突した事故現場 (c)朝日新聞社
6月6日、名古屋・栄で車3台が衝突した事故現場 (c)朝日新聞社
運転時認知障害早期発見チェックリスト30 (週刊朝日2019年6月21日号より) 
運転時認知障害早期発見チェックリスト30 (週刊朝日2019年6月21日号より) 

 高齢ドライバーによる悲惨な交通事故が後を絶たない。免許を自主返納すべきタイミングや、渋る親を説得する方法を紹介する。

【運転時認知障害早期発見チェックリスト30はこちら】

 警察庁では「高齢者の認知機能の低下が死亡事故につながっている」として、免許の自主返納を促している。

 そうはいっても、自分で運転能力が落ちていることは理解しにくい。下記のNPO法人高齢者安全運転支援研究会の運転時認知障害早期発見チェックリスト30で確認してほしい。

【運転時認知障害早期発見チェックリスト30】
1.車のキーや免許証などを探し回ることがある。
2.今までできていたカーステレオやカーナビの操作ができなくなった。
3.トリップメーターの戻し方や時計の合わせ方がわからなくなった。
4.機器や装置(アクセル、ブレーキ、ウィンカーなど)の名前を思い出せないことがある。
5.道路標識の意味が思い出せないことがある。
6.スーパーなどの駐車場で自分の車を止めた位置がわからなくなることがある。
7.何度も行っている場所への道順がすぐに思い出せないことがある。
8.運転している途中で行き先を忘れてしまったことがある。
9.よく通る道なのに曲がる場所を間違えることがある。
10.車で出かけたのに他の交通手段で帰ってきたことがある。
11.運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった。
12.アクセルとブレーキを間違えることがある。
13.曲がる際にウィンカーを出し忘れることがある。
14.反対車線を走ってしまった(走りそうになった)。
15.右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった。
16.気がつくと自分が先頭を走っていて、後ろに車列が連なっていることがよくある。
17.車間距離を一定に保つことが苦手になった。
18.高速道路を利用することが怖く(苦手に)なった。
19.合流が怖く(苦手に)なった。
20.車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた。
21.駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を止めることが難しくなった。
22.日時を間違えて目的地に行くことが多くなった。
23.急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)。
24.交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった。
25.運転している時にミスをしたり危険な目にあったりすると頭の中が真っ白になる。
26.好きだったドライブに行く回数が減った。
27.同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった。
28.以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった。
29.運転自体に興味がなくなった。
30.運転すると妙に疲れるようになった。

(日本認知症予防学会理事長、鳥取大学医学部教授 浦上克哉さん監修、NPO法人高齢者安全運転支援研究会 提供)

 5個以上チェックが入る人は要注意だという。早めに決断することで、悲しい事故を避けられる。

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