あと、許せないことのラインが一緒。これもすごくわかる。僕が思うのは、結婚して一緒にいると、そりゃ人生ですから、しんどいことも多い。腹が立つこともある。この「怒りのポイント」が一緒であることってとても大事で、ある時、自分がある人に腹を立てた時に、自分以上に妻が怒ってくれた時は本当に嬉しかったんですよね。怒りを「同期」してくれることって一緒に強くなれるんです。

 そして、僕が注目すべきポイントは「笑わせてくれる」というところ。正直、女性はイケメンが好きです。まあ男性も美女が好きですが。綺麗な人ほどイケメンが好き。これ本当に思います。結局、美人ってイケメンが好きなんだなと。

 だけど思います。今回の山ちゃんの奇跡を見ると、格好良さに「おもしろさ」が勝つ時があるんです。イケメンという生まれた時からの変えようのないものに対して、「おもしろい」という努力によって手に入れることのできる才能で勝つこともある。山ちゃんはそれを実証してくれた。「おもしろい」ってすごいな。

週刊朝日  2019年6月21日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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