それに、10月の消費増税はおそらく実施することになるだろう。7月1日の日銀短観を見ないと、はっきりとは言い切れないが、私の予想では先延ばしになるほどの悪いデータは出ないのではないか。
さらに、東京オリンピック後は、確実に経済が悪化すると、ほとんどのエコノミストが予測していて、安倍首相としては衆参選挙は、日米交渉前しか考えられないはずである。
自民党の議員たちはもちろん、野党の議員たちも、すでにそのことを覚悟しているであろう。
6月2日放送の「激論!クロスファイア」に出演した小沢一郎氏は、「今回の選挙が衆参同日選になることを覚悟すべきだ」と言い切り、「野党にとって、自民党と勝負すべき最後の機会になる」とも強調した。
現在、立憲民主党が国民民主党などと全面的に組む、つまり野党一本化に完全には同意していない。
それに対して小沢氏は「今回の選挙で立憲民主党が野党一本化に踏み切らなければ、立憲民主党も衰退することになる」と強調したのである。小沢氏の説明には説得力があった。
それにしても、である。衆議院は2017年10月に選挙が行われて、まだ2年4カ月も任期が残っている。なぜ今、衆議院を解散しなければならないのか。安倍首相の手前勝手な計算だけで解散が行われていいのか。他の先進国ではありえないことである。なぜこの問題を、各紙も各テレビ局も厳しく糾明しないのだろうか。
※週刊朝日 2019年6月21日号