豊洲市場 (c)朝日新聞社
豊洲市場 (c)朝日新聞社

 開場の華々しい様子が記憶に新しい豊洲市場(東京都江東区)だが、早くも勢いに陰りがみえる。

 昨年10月から半年間の水産物取扱量は17.7万トンにとどまり、築地時代の前年同期よりも約7%下回った。特にかき入れ時の12月の落ち込み幅が大きく、前年比10.1%も減少したのが響いた。

 豊洲の敷地面積は、築地の1.7倍に広がった。都は2023年度に水産物取扱量を1.6倍の年約62万トンにアップする目標を掲げていたのだが、やはり絵に描いたモチだったのか……。

 たしかに消費者の魚離れが進んだことも影響しているのだろう。農林水産省の調査によると、1人当たりの魚介類消費量はピーク時の01年度は40.2キロだったのが、17年度には24.4キロまで減っている。

 だが、“豊洲不振”の理由はそればかりではなさそうだ。

「とにかく駐車場が足りません」

 東京中央市場労働組合の中澤誠・執行委員長はそう嘆く。

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