囲み取材でご意見番の本領発揮(撮影/太田サトル)
囲み取材でご意見番の本領発揮(撮影/太田サトル)
艶っぽい歌声は健在。55周年記念コンサートも通過点(撮影/太田サトル)
艶っぽい歌声は健在。55周年記念コンサートも通過点(撮影/太田サトル)

 歌手生活55周年イヤーに突入した美川憲一さんが、6月4日、東京・中野サンプラザで記念コンサートを開催、詰めかけた満員のファンを前に、最新曲「愛染橋を渡ります」をはじめ、「永遠にバラの時を」「さそり座の女」「火の鳥」など、計24曲を歌い上げた。

「生き残るのも大変なのよ。“あの人は今”になんなくてよかった」

 コンサート開演前、報道陣を前に55年を振り返る美川さん。1991年には金鳥「タンスにゴン」のCMで、ちあきなおみと共演、「もっとはじっこ歩きなさいよ」というセリフが大流行した。

「乱暴な言葉遣いのお客さんがいたときに、『おだまり!』とか言ったのがウケちゃって。それで、あ、これ商売にしようと(笑)」

 現在のキャラクターの誕生秘話を明かしてくれた。

「それで、二丁目に通って、言葉遣いやしぐさなど、お店のママさんに情報もらったりして。それがあのCMにつながっていったんです」

 55年もの芸能生活には当然、紆余曲折がある。1977年と84年に大麻取締法違反で逮捕されたことを記者が持ちかけると、「今言うか!(笑)」と冗談めかしてツッコむ姿も。

「失敗することがいいとは言いませんが、落ちるところまで落ちるっていうことは、実際に落ちてみないとわかんないんですよ。そこからまたスタート、あとははい上がるしかない。だからワタシは本当にしぶとくやれるの」

 その姿勢や発言から、しばしば“芸能界のご意見番”的な役割も求められる美川さん。今回も、「落ちた」有名人について、持論を展開してくれた。

 まずは、3月に麻薬取締法違反で逮捕された電気グルーヴのピエール瀧。

「謝罪会見をして、素直にお話をしたほうがいいわね。隠れずに、前に出なさいって。やっぱり芸能人って見られてなんぼ、そう思えば気が楽になります。ワタシもそうでしたから。そこで恥かいても、嫌なことを言われても、それが今の状態なんだって自分の肌で感じられる。そうすることで、もっと前向きになってがんばっていけるはずです」

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貧乏くさいことしたわねぇ