「今回亡くなった入居者は、介護の必要度が低い自立した方だった。原因究明が待たれるが、そもそもご本人が見守りを拒否していた可能性がある」

 結城教授によれば、一般的に高級ホームでは、入居者が拒否しない限り、担当者が必ず見守りを行うことになっているという。

「孤独死で言えるのは、安否の確認など見守る側の事情や行動だけが注目されるが、見守られる側もサービスや支援を積極的に受け入れることが必要だ」

 見守る側にとっても見守られる側にとっても、プライバシーとケアをどう両立させるかは大きな課題だ。

 2012年3月、茨城県つくば市の有料老人ホームで、入居者の女性(当時87)が自室で亡くなっているのが死後約1週間たって発見された。今回、教訓が生かされず、悲劇が繰り返されたことになる。

 明石市では、ホームに対して業務改善命令を出すことも視野に、今後さらなる調査を進めていく方針だ。(本誌・羽富宏文)

週刊朝日  2019年6月14日号