KREVAのライブ「908 FESTIVAL 2018」。6月30日(日)、日本武道館で「KREVA NEW BEST ALBUM LIVE 成長の記録」を開催予定。
KREVAのライブ「908 FESTIVAL 2018」。6月30日(日)、日本武道館で「KREVA NEW BEST ALBUM LIVE 成長の記録」を開催予定。
6月19日にリリースされる『成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~』(SPEEDSTAR RECORDS)。ソロになってからのKREVAの作品17曲を収録。
6月19日にリリースされる『成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~』(SPEEDSTAR RECORDS)。ソロになってからのKREVAの作品17曲を収録。

 シンガーソングライターでラッパーのKREVAが6月19日にリリースするベストアルバムのタイトルがユニーク。『成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~』だ。

【『成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~』のジャケット写真はこちら】

「ソロになって15年になり、その間の成長を聴いていただきたいと思って、タイトルにしました。“全曲バンドで録り直し”もありのまま、わかりやすくするためにつけました」

 バンドは、いつもライヴで一緒に演奏しているメンバー。

「久保田利伸さんのバンドで知り合ったメンバーとさかいゆう経由で知り合ったメンバーです。ブラックミュージックの影響を受けているメンバーが多い、自然とバンドもソウルフルな演奏になりました。オリジナルとアレンジががらりと変わったのは『KILA KILA ~2019 Ver.~』です。東日本大震災の後に歌詞を書いた曲で、もともとはとても前向きな、皆を鼓舞するようなサウンドです。でも、今回はメロウな導入部になっています。一方“成長”という意味で、聴いていただきたいのは『音色~2019 Ver.~』です」

 「音色」は、KREVAがヒップホップグループ、KICK THE CAN CREWを経てソロ活動をスタートさせたメジャーデビューシングル。

「KICK THE CAN CREWでは、いつもメンバー3人で競い合うように言葉を生み出していて、それがプラスの効果を生んでもいました。でも、もっと素直に自分の思いを歌ってみたいとも感じていたんです。それで、1人でスタジオに入ってレコーディングしたのが『音色』でした。歌詞を書いたときはまだソロ活動をイメージしていなかったと思います」

 そういう経緯で生まれた曲だからこそ、レコーディングでは「たくさんの人に届けたい!」という思いが強かった。

「あれから15年、僕は自分のすべてのソロライヴでこの曲を歌っていると思います。その過程で歌い方が徐々に歌詞に寄り添うようになってきました」

 KICK THE CAN CREW時代の打ち込み中心ではなく、バンドでライヴをやるようになったことも、KREVAのヴォーカルを変えた。

「バンドは生ものなので、毎日微妙に演奏が違います。メンバーそれぞれの楽器のチューニングも違います。そのなかで歌っていくことで、僕のヴォーカルも幅広くなっていくんですよ」

 久保田利伸に褒められたこともKREVAのモチベーションを上げた。

「KREVA、お前、歌上手くなったな、と言っていただいて。なにしろ久保田さんですから、僕の自信になりました」

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神舘和典

神舘和典

1962年東京生まれ。音楽ライター。ジャズ、ロック、Jポップからクラシックまでクラシックまで膨大な数のアーティストをインタビューしてきた。『新書で入門ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)『25人の偉大なるジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)など著書多数。「文春トークライヴ」(文藝春秋)をはじめ音楽イベントのMCも行う。

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