赤木さん自身も必要に応じてビタミンを摂っているが、過信してはいけないと考えている。

「医者にかかる代わりに飲み続けるのは問題。また、何種類も摂っている人もいますが、何か有害事象があったときに原因を特定するのが難しくなる。サプリメントは多くても2種類ぐらいにとどめ、病状が変わらなかったら病院にかかるべきだと思います」

 ここで、アンケートの結果にもどろう。

 医師が今回、もっとも気にしていたのは、治療薬との相互作用だ。「肝障害の原因になっていることもある」(40代男性・一般内科)、「糖尿病患者でサプリメントの服用が病勢悪化につながることをよく経験します」(20代女性・精神科)

 これについては、厚生労働省医薬食品局も注意喚起している。代表的な薬とサプリメントの関係には次のようなものがある。

薬の効果が弱まる▼抗凝固薬のワルファリンとビタミンK(青汁、クロレラを含む)▼骨粗しょう症治療薬の活性型ビタミンD3製剤(アルファロール、エディロール、ワンアルファなど)とカルシウム▼骨粗しょう症治療薬のビスホスホネート系製剤(フォサマック、ボナロン、ダイドロネルなど)とカルシウムなど

副作用が強まる▼高コレステロール血症治療薬のHMG‐CoA還元酵素阻害薬(メバロチン、リピトールなど)とナイアシンなど

「サプリメントのなかには、薬の作用を弱めるだけでなく、同じように作用するものもあります。治療効果に影響するので、主治医に伝えておいたほうがよいでしょう」(赤木さん)

 健康増進や病気予防に役立つサプリメントは安全な製品を買い求めることも大事。前出の久保さんによると、「お客さま相談室」がしっかり機能しているメーカーのものを選ぶのがポイントだ。海外のサプリメントはあまり薦められないそうだ。(本誌・山内リカ)

AERA 2019年6月7日号より抜粋