“日本語ロックの新星”フライダーズに注目 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“日本語ロックの新星”フライダーズに注目

連載「知新音故」

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小倉エージ週刊朝日
デビュー・アルバム『Fryders』を発表したフライダーズ

デビュー・アルバム『Fryders』を発表したフライダーズ

●フライダーズ『Fryders』 なりすコンパクト・ディスク/ハヤブサ・ランディングス HYCA-3083

●フライダーズ『Fryders』 なりすコンパクト・ディスク/ハヤブサ・ランディングス HYCA-3083

 この4月、インディーズからデビュー・アルバム『Fryders』を発表したばかりのフライダーズ。3人組のギター・ロック・バンドで、一般的にはまだ無名の存在だが、60年代、70年代のアメリカン・ロック、日本のロックに足跡を残したはっぴいえんどやはちみつぱいなどに傾倒し、継承した“日本語ロックの新星”としてインディーズ・シーンで注目を集めている。

【デビュー・アルバム『Fryders』のジャケット写真はこちら】

 グループは2011年、ヴォーカル、ギター担当で作詞、作曲を手掛ける佐藤ユウキを中心に結成され、13年にベースの相馬智、秘密のミーニーズのメンバーでもあるギターの青木利文が途中参加して現在のメンバーがそろい、ライヴ・ハウスなどを中心に活動してきた。

 グループの活動歴からすればとっくにアルバムを発表していたはずだが、目指すイメージこそあれ、音楽的に納得する形で具現化するには至らなかったという。

 そんな彼らを手助けし、アルバムの制作を手掛けたのは夏秋文尚。ジャック達のメンバーで、ムーンライダーズ、はちみつぱいのサポート・プレイヤーとしても活動してきたドラマーだ。3人は夏秋の演奏に感銘して制作を依頼。17年以来制作に取り掛かり、発表に至った。

 グループの演奏、サウンドを特徴づけているもののひとつが佐藤のエレキと生の12弦ギターだ。エレキの12弦ギターによる演奏は、60年代半ばに「ミスター・タンブリン・マン」のヒットを放って以来、変化を遂げながら活動してきたザ・バーズの特徴あるサウンドの要だったロジャー・マッギンを思い起こす。

 実際、佐藤はザ・バーズとの出会いをきっかけにロジャー・マッギンのエレキの12弦ギターの響きにひかれ、アコースティックの12弦ギターを入手。以来、フレッド・ニール、ティム・バックリーのアシッド・フォークなどにも親しんできたという。

 青木もその演奏から60年代、70年代のアメリカン・ロックへの傾倒ぶりがうかがえるが、オルタナ系のグループなどにも関心を持ち、刺激を受けてきたようだ。

 相馬の音楽的な背景はふたりと異なり、ジャズとの出会いをきっかけにベースを始め、佐藤とはブルースのセッションを通じて交流を持ち、佐藤や青木が好む音楽に親しむようになったという。

 アルバムの幕開け「小梅」のギター、ベース、ドラムスのスタイルはニール・ヤング風。はっぴいえんど的な要素も入り交じる。生の12弦ギターがサウンドの要となり、アシッド・フォーク的な趣もある「線路沿い」、スロー・ロック・ナンバーの「最高の夜」もニール・ヤング風。「多摩堤通り」のイントロのエレキの12弦ギターの演奏はロジャー・マッギンそのもの、といったように先達への敬愛、愛着ぶりがうかがえる。

 


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