巨人ファンの30代男性は「2軍ではモチベーションが上がらなかったと思う。中継ぎが苦しい状況で上原投手を1軍で使ってほしかった思いはあります」と残念そうだった。

 上原も会見で「もうちょっとやりたかったな。そういう思いです」と正直な心境を吐露した。

 だが、偉業は色あせないだろう。朝早くから球場に来て誰よりもトレーニングし、球場を引き揚げるのは誰よりも遅かった。「トリプル100」は、その苦労に神様が与えたプレゼントなのかもしれない。

「どのポジションで全うしたわけでもなく、中途半端に先発、中継ぎ、抑えをやっちゃったかなという感じですね」。会見では苦笑いを浮かべたが、周囲の見方は違う。大リーグ・カブスのダルビッシュ有投手は昨年、ツイッターでこう称賛した。

「上原さんの100勝100ホールド100セーブなんて200勝以上の価値はあると思います」

 上原に名球会入りの資格を与えるべきという声は多い。検討の価値は十分にあるだろう。(梅宮昌宗)

週刊朝日  2019年6月7日号