「阿達氏が、この法律事務所の顧問という肩書からトランプ大統領側と就任前からいろいろなコンタクトができたのです。今回も阿達氏が情報をとり、交渉して大相撲観戦、賞の贈呈という運びになったと聞いている」(前出の自民党幹部)

 そして世間から注目を集めているのは、トランプ大統領の「席」だ。
トランプ大統領は、土俵近くの升席に椅子を置き、そこで観戦する。周囲に複数の警護官がつくという。元警視総監の池田克彦さんは次のように推察する。

「かつてロシアのエリツィン元大統領が見たいと言った時は、結局来日が中止になったが、防弾のボックスを外務省が用意したと思う。フランスのシラク元大統領の時は、特段の措置はなかったと思うが、升席ではなかった。SS(大統領直近警護のシークレットサービス)については、大統領との信頼関係によりますが、直近に配置するでしょう。また、周りには信頼できる人物を座らせて、固めるでしょう」

 警視庁などは観戦前日の25日の取組終了後、館内で危険物がないかを確認し、当日は手荷物検査や金属探知機によるボディーチェックを実施、トランプ氏らが会場入りする前に瓶などを回収したという。こうした対応に、スポーツライターはこう憤る。

「異例中の異例。千秋楽で一番盛り上げる日なので、相撲を楽しみにしている人に大迷惑。一度購入した人からチケットを買い戻してまでマス席を用意したそうで、ありえない」

 しかし、この升席には弱点がある。「座布団」がトランプ大統領に直撃する可能性があるのだ。大相撲では横綱など上位力士が敗れる番狂わせが起こると、本来は禁止されているが、ルールはお構いなしに、座布団が投げられるのは、日常茶飯事だ。

 国技館は前から7列目までがさじき席。8列目からは1マスに4人が座るマス席となっており、いずれも座布団に座る形だ。今回も千秋楽においても座布団が舞う可能性は十分あり、警護官は座布団とも戦う必要がありそうだ。

次のページ
相撲ファンはブーイング