ドン小西 (撮影/写真部・東川哲也)
ドン小西 (撮影/写真部・東川哲也)
佐藤浩市(俳優)/1960年、俳優の三國連太郎を父に、東京都で生まれる。80年にドラマデビュー。以降、多くの映画、ドラマに出演。5月24日公開の映画「空母いぶき」に総理大臣役で出演するのに際し、「体制側の立場を演じることへの抵抗感」などを語った雑誌インタビューが炎上=4月22日、同映画の完成披露試写会に登場(写真=アフロ)
佐藤浩市(俳優)/1960年、俳優の三國連太郎を父に、東京都で生まれる。80年にドラマデビュー。以降、多くの映画、ドラマに出演。5月24日公開の映画「空母いぶき」に総理大臣役で出演するのに際し、「体制側の立場を演じることへの抵抗感」などを語った雑誌インタビューが炎上=4月22日、同映画の完成披露試写会に登場(写真=アフロ)

 5月24日公開の映画「空母いぶき」に総理大臣役で出演するのに際し、「体制側の立場を演じることへの抵抗感」などを語った雑誌インタビューが炎上してしまった佐藤浩市さん。4月22日、同映画の完成披露試写会に登場した佐藤さんのファッションをファッションデザイナーのドン小西氏がチェックした。

【写真】今回チェックした試写会での佐藤浩市さんのファッションがこちら

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 政治について意見をすると事務所から注意されるのは、日本の芸能界だけ。ハリウッドの俳優なんてセクシー系から演技派まで、政治的発言ができてナンボみたいなところがあるもんな。ま、こんな騒動になるとは思わなかったとしても、そんな日本で、自分の存在や考えを主張したこの人の胸の内は、何よりファッションに出てるよ。

 まわりを見てもわかるけど、こういう場では白いシャツが多数派。ところがこの人は黒っぽいスーツに同色のシャツとネクタイで、胸元を1色に。古くから男性が、エッチ系のドレス感をアピールするときの、典型的なテクニックだよ。ま、そこらの男とは違いますからと自負している個性派おやじが、よくやる格好でもあるよね。

 この人の世代でもある今のアラカンって、アクの強いスターらしいスターがいる最後の年代。見分けがつかないさっぱり俳優が増えるなか、この人にはいつまでも頑張って個性派としていい味を出してほしいよね。いや、町で最近見たことのないこの髪形とか、昭和くさいセンスは、そろそろ返上してもらってもいいと思いますけど。

(構成/福光恵)

週刊朝日  2019年5月31日号