「作品とそれを生んだアーティストの人生は無関係ではありません。一体化しているとすら思っています。作品をつくるときは、みんなその後自分に起きることなどは考えていないでしょう。純粋に創作に没頭しているのだと思います。ところが結果的に、自分の作品に影響されてしまう。身近にいる日本人のミュージシャンに訊いても、みんな同じように感じています。小説家や脚本家のような文章を書く人はどうなんでしょうね。僕の人生も『接吻』に影響されています。曲を歌い続けることによって歩まざるを得ない人生は間違いなくある。今回のアルバム『bless You!』が僕の人生にどう影響するかは、まだわかりませんけれど」

 その『bless You!』をもって田島はORIGINAL LOVEでツアーを行い、いくつもの夏フェスに参加する。2019年は「FUJI ROCK FESTIVAL ‘19」

「Slow LIVE in 池上本門寺2019」などに出演する予定だ。
「新曲中心の選曲になるでしょう。フジロックは今回が初参加ですが、客として何度も行きました。1997年、富士の裾野の天神山スキー場での第1回も観ています。台風が直撃してすごい雨風の中、会場は非常に盛り上がっていました。豪雨にもめげず、レッド・ホット・チリ・ペッパーズもレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンも演奏がすごくよくて、びっくりしました。深夜に思い立って1人で、雨の中、ハーレーダビッドソンを飛ばして行ったこともあります。そのフェスのステージに今度は自分が上がる。わくわくしています」

 一方、アコースティックが基本のスローライヴは、ジャグバンドのイメージだという。

「20世紀初めにアメリカ南部で空きビンや洗濯板や掃除用具など身近なものを楽器代わりにして演奏したのがジャグバンドの始まりです。お寺の特設会場で行うスローライヴはアコースティックのフェスなので、シンプルな編成でシンプルな演奏になるでしょう。アコースティック楽器で、ジャグバンドのようにみんなで踊ったり歌ったりしたくなるような楽しいライヴにしたいと思います」

 田島がスローライヴに出演するのは今年で9回目になる。

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スローライヴとは?