今年の沖縄キャンプで、ファンの求めに応じてサインをする中日の松坂大輔(C)朝日新聞社
今年の沖縄キャンプで、ファンの求めに応じてサインをする中日の松坂大輔(C)朝日新聞社

 右肩を痛めて2軍で調整している中日の松坂大輔投手(38)が5月16日の2軍練習日にゴルフをしていたことが報道され、球団からペナルティーを科せられた問題は、ファンにとっても大きなショックだったようだ。

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 松坂を高校時代から応援してきたという中日ファンの40歳男性は落胆していた。

「もう本当にがっかりです。昨年の復活劇は感動したし、今年2月の沖縄キャンプでファンに右肩を引っ張られて痛めたときは心配だった。チーム状態も良くない中で、松坂投手も1軍のマウンドを目指して必死にリハビリを頑張っていると思ったら、練習日にゴルフなんて……。息抜きかもしれないけど、ちょっと考えられない。裏切られた思いがしますね」

 松坂は、横浜高3年時に甲子園で春夏制覇、プロ1年目から3年連続最多勝、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で第1回、第2回と計2度の最優秀選手(MVP)を受賞した「平成の怪物」だ。

 だが、唯一無二のヒーローでありながら、世間からバッシングを受ける機会も少なくなかった。

 西武時代の2000年には道交法違反(無免許運転、駐車違反)で罰金の略式命令を受け、謹慎処分を受けた。また、メジャーから14年オフに国内復帰したが、ソフトバンク在籍3年間でわずか1試合の登板で終わった。右肩の故障で満足に投げられず、17年オフにソフトバンクを退団して現役続行の意向を表明した時は「もう辞めた方がいい」と否定的な意見が多かった。

 中日にテスト入団した昨季は、6勝を挙げて復活の足掛かりをつかんだ。しかし、今年は置かれた状況が微妙に変わってきている。

 19歳の2年目右腕・清水達也が今季2戦2勝。ドラフト3位の21歳右腕、勝野昌慶もプロ初登板を飾った17日の巨人戦(ナゴヤドーム)で6回3失点の粘投。初黒星を喫したが、新戦力が次々にアピールしている。

 スポーツ紙デスクは、こう分析する。

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首脳陣や選手の信用を失う行為