それに芝居は時代によっても変化していくものです。
いま新しい世代の俳優たちがいっぱい出てきているからねえ。山田孝之くん、菅田将暉くん、阿部サダヲくんとかね。
ただ僕は74年間生きてきたから、その分だけの人生は一応知っている。戦争が終わったあと、いまの日本がどうここまできたか。その歴史の長さは知っている。
それがこの顔のしわの中に入り込んでいて、それを芝居でちょっと表現できるといいなと思うんです。それは若い人にはまだできないことですからね。
俳優はまだまだ続けますよ。仕事をしているっていいことだらけです。若い人とセッションできるしね。80歳、90歳、いや100歳になっても、死ぬまでやらせてもらえれば、こんなにいいことはありません。
(聞き手/中村千晶)
※週刊朝日 2019年5月24日号