令和ではこんなことが起こる (週刊朝日2019年5月24日号より 写真=朝日新聞社)
令和ではこんなことが起こる (週刊朝日2019年5月24日号より 写真=朝日新聞社)
(週刊朝日2019年5月24日号より)
(週刊朝日2019年5月24日号より)
(週刊朝日2019年5月24日号より)
(週刊朝日2019年5月24日号より)
(週刊朝日2019年5月24日号より)
(週刊朝日2019年5月24日号より)

 高齢者による交通事故、孤独死…怖すぎる「令和リスク」とは?高齢者の貧困や孤独死が急増 認知症も5人に1人に 怖すぎる「令和リスク」とは?

【図解「令和リスク」】高齢者の割合や年金はこうなる!

 いよいよ始まった令和の時代。祝賀ムードが広がるが、日本の将来像を考えると喜んでばかりはいられない。超高齢化が進み孤独死が急増。医療や介護の費用が膨らむ一方で、年金は目減り。こんな「令和リスク」が現実化しそうなのだ。

 2040(令和22)年の日本。24歳の会社員サトシは、「オハヨウゴザイマス」という声で目を覚ます。家事ロボットが実用化され、起こしてくれるのだ。

 ロボットに手伝ってもらい、身支度をして車に乗る。「会社まで」と目的地を伝えれば、自動で運転してくれる。着くまでにネット端末でニュースに目を通し、今日の予定をチェックする──。人工知能(AI)の技術が発達し、いろんなことが楽にできるようになった。だが、暮らしも豊かになるとは限らない。

 サトシの父は55歳。事務職のサラリーマンだったが、AIに仕事を奪われた。再就職を目指すが、機械だけでなく外国人労働者との競争もあって、いい仕事は見つからない。年金の受給開始年齢は引き上げられ、75歳までは働きたい。あと20年どう頑張るか──。

 56歳のサトシの母は90歳を超えた祖父や祖母を家で介護している。さすがに介護はロボット任せは難しく、人間が付き添う必要がある。祖父には認知症の症状もあり、母はストレスを抱える。

 サトシが街を歩いてすれ違うのは高齢者ばかり。ばりばり働くアクティブなシニアも多いが、知力、体力はどうしても低下しがちだ。団塊ジュニア世代はみんな65歳以上になり、孤独死が社会現象になっている。

 高齢者を支えるため、サトシのような若者に負担がのしかかる。消費税は20%を超え、社会保障費も右肩上がり。一部のお金持ちの子どもは余裕があるようだが、多くの若者は自由に使えるお金が少ない。格差は広がり、結婚や出産をあきらめる人も目立つ。

 高齢者と同じように街でよくすれ違うのは外国人だ。低賃金できつい仕事を任されている。待遇に不満があり、地域社会にもなじめないため、異国の地で疎外感を抱えている。外国人に仕事を奪われたと感じる日本人からの視線は冷たい。社会の分断が進む。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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