で、ちょっと話変わって、先日とあることがきっかけで夫婦喧嘩をしました。というか、僕のダメなところを妻に強く激しく注意されて。僕も申し訳ないですが、同意。それで思ったわけです。歩く音問題。僕が家を変えたせいだと思っていたけど、それって、もっと根本で、僕が妻に対しての向き合い方とかコミュニケーションの取り方が雑になってたりサボってしまったりした部分があって、それがきっかけなんじゃないかと。僕のせいで二人の間にズレが出てしまい、僕の人間的な部分、足音、に対して、嫌悪が出てしまった。最初に書いた咀嚼音。今まで気にならなかった夫の咀嚼音がいやになるのも、たぶん、これと同じ。病気になったときは、根本の部分、「背骨」とかに原因があるものです。夫婦も同じなんだよなと、あらためて思う。

週刊朝日  2019年5月24日号

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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