エースの滝川寿希也騎手の騎乗停止で揺れる川崎競売(c)朝日新聞社
エースの滝川寿希也騎手の騎乗停止で揺れる川崎競売(c)朝日新聞社

 神奈川県川崎競馬組合は5月13日、滝川寿希也騎手(23)=川崎・田辺陽厩舎=を13~16日までの4日間、騎乗停止とする処分を発表した。SNSで不適切な発言を繰り返し、競馬の信用を失墜させたという異例の処分内容だ。滝川騎手に対しては不適切発言で4月1、2日にも騎乗停止の処分が科されていた。

 2013年にデビューした滝川騎手。これまで通算501勝をあげ、昨年度は172勝をあげ、川崎競馬の最多勝利、リーディングジョッキーに輝いたスター騎手だ。しかし、滝川騎手に騎乗依頼したことがある調教師はこう話す。

「素行は前々から悪いヤツなんだよ。朝、調教に来てくれと言っても、来ない。理由は飲み過ぎて寝ていたという。しかし、腕はいいから仕方なく乗せていた。だが、今回の騒動をみて、ついにやっちゃたか。こりゃダメだなという感じだね」

 これまでも滝川騎手は、公正が最重要な競馬界にあってその言動、立ち振る舞いが問題視されていたという。今回、問題になったのが、滝川騎手のツイッターや知人とみられる人物のユーチューブだった。

 4月にはJRA、日本中央競馬会のG1レース、天皇賞の出走馬が、取り消したことについて<故障で使えないのは天皇賞やる意味0(ゼロ)>

 今年3月28日のツイッターでは特定の馬の名前をあげて<単勝500万円行きます>とつぶやいた。

 騎手は原則、馬券の購入や予想は禁止。滝川騎手があげたのはJRAのレースの馬名だが、前出の調教師はこう呆れた。

「競馬法は不正防止のため、地方競馬の騎手、調教師などが他の地方競馬でもあっても馬券を買うことは厳禁。もし馬券を買っていたとなれば、競馬法違反で処罰される。それが別組織のJRAだとしても、レースの予想、単勝をいくら買うなんてことは絶対に公言してはなりません。例えば馬を生産する牧場など、つながりはあちこちにあり、誤解を招きかねない。八百長がないように、競馬の公正さを保つため、みんな細心の注意を払っている」

 つぶやきはそれだけで終わらなかった。トラックの運転手だという相手にツイッター上で、<こっちはサラリーマンじゃねー>
<トラックドライバーと一緒にされたら騎手も終わり>
<全然騎手のが夢のある難しくて大変な仕事>

 こうした職業批判するようなつぶやきを繰り返してバトルを展開。
実はこんなツイッタ―のつぶやきは以前からあり、滝川騎手は4月に組合から処分を受けた。

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滝川騎手が会社を設立