今季37試合(5月13日現在)を終えて、チーム全体の盗塁数はわずか7。もちろんリーグワーストだ。機動力が使える選手がいないわけではない。かつては主力だった桑原将志、梶谷隆幸ら俊足の選手が1、2軍を行き来してレギュラーで固定できないのも得点力不足の一因だろう。

 シーズンは長い。時期尚早の話かもしれないが、このまま低空飛行が続けば監督の去就問題は現実的な話になる。後任候補は誰になるだろうか。
「ハマの番長」の異名でファンから絶大な人気を誇る三浦大輔1軍投手コーチは、今年がまだコーチ就任1年目。指導者としてじっくり実績を積む時間が必要だが、選手との距離が近くチーム事情も把握していることから、球団が来季の監督として抜擢しても不思議ではない。

 DeNA初代監督の中畑清氏が再登板する可能性も十分にある。12年から4年間監督を務めてAクラス進出は一度もなかったが、筒香や梶谷ら若手の成長株を結果が出なくても辛抱強く起用し、新人だった山崎康晃を守護神に抜擢するなど、その育成手腕は高く評価されている。明るさを失っているチームで、中畑氏の存在は大きな起爆剤にもなる。

 球団OBの仁志敏久氏も有力候補だ。現役時代は巨人、横浜(現・DeNA)、米独立リーグでプレー。17年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンのコーチを務め、14年から侍ジャパンU-12の代表監督を務めている。

 仁志をよく知る関係者は「野球理論に精通していて、情熱的な一面もあります。固定観念にとらわれず、柔軟な発想も持っている。名監督として大成する可能性は十分にあると思います」と分析する。

 シーズンは100試合以上残っている。DeNAがここから巻き返すチャンスは十分にあるし、ラミレス監督が来季も続投の可能性はある。周囲の雑音を封じるためにも、チームを立て直して優勝争いの輪に入りたい。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事