ミッツ・マングローブ「異形を標準化した美川憲一と平成」

連載「アイドルを性せ!」

ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ
平成最後の日の秋葉原の (c)朝日新聞社 (※写真はイメージ)
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平成最後の日の秋葉原の (c)朝日新...

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「オネエ」を取り上げる。

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 令和一発目。オカマたちはこぞって「今日もきれいわ~」と言っています。だいたい『オカマ』なんて言葉。これからの時代、当事者ですらおいそれと使いづらくなるかもしれません。だからと言って正解の言葉が出てきたわけでもなく、オカマ、ゲイ、ホモ、どれもこれも有耶無耶なまま平成が終わり、令和が始まりました。

 一方でオカマやゲイやホモにとって、平成はいろいろと画期的・革新的な時代だったとも言えます。セクシャリティや性自認への関心が深まり、併せて各種医療技術も進歩しました。思えば90年代初頭に大ブームを巻き起こした『Mr.レディー』。あれも立派な平成のレガシーと言えるでしょう。当時高校生で、いわゆる『オカマ予備軍世代』だった私にとって、突然のMr.レディー旋風は、そのネーミングセンスと共に大衝撃でした。まだまだオカマ=水商売が定説だった時代。よもや自分の将来がそこに繋がっていることなど露知らず、毎日のようにテレビに出てくる彼女たちを観てはゲラゲラ笑っていただけの平和な時代。ちなみに『ニューハーフ』という呼称が定着したのもこの頃です。

 そして平成と言えば『系』。とりあえず無責任なジャンル分けをしたかったら『系』を付けるに限る。それが平成流。『渋谷系』『小室系』『ビジュアル系』『ポッチャリ系』『意識高い系』など。それに倣(なら)うようにオカマやゲイやホモを含む『オネエ系』もまた、平成を通してひとつ地位を固めた感があります。

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