試合中に左手を負傷した中日の根尾昂 (c)朝日新聞社
試合中に左手を負傷した中日の根尾昂 (c)朝日新聞社

 立ちはだかるプロの壁は高かった。中日ドラフト1位新人、根尾昂内野手(19)はリハビリの日々で何を思うだろうか。

 ファームで22試合に出場して打率1割4分3厘、1本塁打、4打点、遊撃の守備もリーグワーストの8失策(4月25日現在)。4月16日のウエスタン・リーグ阪神戦(ナゴヤ)では、守備で左手人さし指をスパイクされ、8針縫うケガを負った。長期離脱が避けられない状況になった。

 根尾は即戦力ではないが、2013年から6年連続Bクラスと低迷するチームの起爆剤として期待を背負っていた。

 高校3年の春、夏に甲子園制覇を達成した大阪桐蔭では、投手で最速150キロを記録し、打者としても柔らかさとパンチ力を兼ね備えた規格外の選手だった。

 走・攻・守そろった逸材は昨秋のドラフトで目玉に。ヤクルト巨人、中日、日本ハムがドラフト1位で指名し、地元・岐阜に近い中日の与田剛監督がくじを引き当てた。

「20年に1人の逸材」「新人で開幕スタメンの可能性は十分」。メディアは根尾の一挙手一投足を連日報道した。首脳陣も根尾が1軍に遊撃で出場することを想定し、正遊撃手の京田陽太(25)に二塁の練習にも取り組ませた。

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