情報化社会となった現代は、ネット上で様々な取引が簡単にできるようになった。便利になった半面、いったんシステム障害が起きると影響は深刻だ。銀行など企業側は、お金をかけてシステムの処理能力を高めているが、限界はある。

 特に、多くの人が一斉に同じサイトにアクセスすると、障害が起きやすい。銀行関係者はこう明かす。

「今回の連休は改元もあり、システム障害が起きないよう、担当者を増やして警戒していた。それでも、利用者のアクセスが集中すると、サイトにつながりにくくなってしまう。連休明けの昼休みといった特定の時間に利用者が急増することも、障害が起きやすくなる要因です」

 いったん障害が起きると、多くの利用者が何度も接続しようとして、悪循環に陥ってしまう。利用者側が注意すべきことは何か。

「サイトにつながりにくい時は、すぐに再試行せず、しばらく待ってください。本当に急ぐ時は、銀行の窓口やATMを利用してもらうと確実です」(銀行関係者)

 連休明けの7日が過ぎたとしても安心はできない。5月1日に「令和」が始まったが、中小企業などではシステム改修が追いついていないところもある。1989年の昭和から平成の改元時に比べ、情報システムは複雑になっている。

「今はネットを通じてシステムが絡み合っているので、思わぬところに障害が出る恐れがあります。システム障害を100%防ぐことは難しいことを、利用者も理解しましょう。振り込みなどの取引が正常にできているかこまめにチェックし、トラブルがあったとしても落ち着いて行動することが大切です」(大手電機メーカーのSE)

 令和の祝賀ムードに水を差した今回のシステム障害。私たち利用者の対応も問われている。(本誌・多田敏男)

※週刊朝日オンライン限定記事