スマホの楽天銀行のアプリからも、一時口座に接続できなくなった=撮影・多田敏男
スマホの楽天銀行のアプリからも、一時口座に接続できなくなった=撮影・多田敏男
謝罪文を掲載した楽天銀行のホームページ
謝罪文を掲載した楽天銀行のホームページ

 かつてない10連休が明けた5月7日、恐れていたことが起きた。ネット銀行の「楽天銀行」で大規模なシステム障害が発生したのだ。原因は調査中だが連休明けでアクセスが集中したことが、影響しているとみられる。システムの専門家は「魔の10連休」と早くから警戒していただけに、情報化社会のもろさが露呈(ろてい)した。

 楽天銀行は7日午後に、「ログインできない不具合について」として、次のような謝罪文をホームページに掲載した。

「2019年5月7日13時00分現在、【PC・スマートフォン・楽天銀行アプリ・携帯電話】から口座にログインできない不具合が発生しております。なお、ATMでのお取引、デビットカードはご利用いただけます。お客さまにはご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」

 楽天銀行によると、7日午後7時時点でシステム障害は続いている。700万を超える口座について、ネット上での振り込みなどが一時できなくなった。

 原因については調査中としているが、ATMなどネット上以外の取引は正常にできているため、ネット上でアクセスが集中したことが関係しているとみられる。

 ほかの大手銀行などでも、7日の午前中、ネット上での振り込みや残高照会なとが一時やりにくくなる接続障害が起きていた。

 実は、こうした障害は予測されていたものだ。大手電機メーカーのシステムエンジニア(SE)は、連休中にこう警鐘を鳴らしていた。

「10連休というかつてない長い休みで、銀行の振り込み予約など処理すべきデータが大量にたまります。連休明けに一気に処理することになるため、システムに負荷が掛かります。利用者のアクセスが、ネット上で集中する可能性も高い。しかも今回は改元もある。このタイミングで問題が起きると、大規模なシステム障害につながってしまう。多くのSEが『魔の10連休』に対応すべく、休み返上で働いています」

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ダウンするとアクセス集中する悪循環が…