強制帰宅指令は不甲斐ない結果だった投手への奮起を促す意味合いが強い。

 だが、ある投手は「一番責任を背負い込んでいるのは試合を壊した投手本人です。そこまでやる必要があるのかなと……。チームの雰囲気もますます重くなりますし」とそのショック療法を疑問視する。

 ファンからは「強制帰宅指令と言うけど、使っている首脳陣にも責任があるのでは。球場に見に来たファンからしてみれば、責任転嫁しているようにも感じる」という指摘も。

 一方で、このやり方に賛同する声もある。ある球団OBは「昔は強制帰宅なんて珍しくなかった。ベンチにいても居心地が悪いし、それなら帰って反省した方がいいでしょう。今の選手は恵まれているよ。誰とは言えないけど、当時は監督がベンチ裏で打たれた選手を殴る蹴るが当たり前の時代だったから」と振り返る。

 チーム、選手がプラスの方向に働くならば、試合途中の強制帰宅は荒療治として意味がある。オリックスの近藤、山崎福は西武戦の帰途で何を思ったか。シーズンは長い。信頼回復へ、快投で結果を出し続けるしかない。(中田秀一)

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