災害対応ロボット
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ロボット製作の実習場面
ロボット製作の実習場面
米田完学科長
米田完学科長

 看板学科の評価が大学のブランド力を示す時代となった。大学の顔である「至高の学科」を訪ねる。今回は千葉工業大学・未来ロボティクス学科。

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 手術や介護などの補助をする医療用、地震などの現場で役立つ災害対応用……。ロボットは、現代社会のさまざまな分野で活動している。

 そんなロボット作りの世界へいざなおう、というのが千葉工業大学先進工学部未来ロボティクス学科だ。学科長の米田完教授が特色を説く。

「本学科では1年の前期からロボット作りを体験し、機械、電子、情報などの最先端技術を学びます」

 実際ほとんどの学生がロボットを作ってみたいという思いで入学するという。

「本学の未来ロボット技術研究センターが製作したロボットが福島第一原子力発電所の現場に投入されています。それを伝えるニュースを見たり、東京スカイツリータウン(R)キャンパスで無料公開している災害対応ロボットを見たりして入学した人もいます」

 1年前期に行う「ロボット体験実習」は、前半で機械加工やハンダ付けの技術などを学んだ後、作りたいロボットを決め、開発費3千円で材料を購入する。教員3人に加え、8人の机に院生や4年生が1人つくため、学生は手厚いサポートを受けながら製作。7月に発表し、教員が審査する。

 1年後期は「ロボット設計製作論実習1」へと発展し、2年次も同実習2と3が続く。3年次の同実習4と5では各研究室で4年次の卒業研究につながる高度な内容を学ぶ。

「理論などをわかっていると、さらにいいロボットを作ることができるため、学生は座学の勉強にも力を入れています」

 3年生の青木朝啓さんはそんな日々に手応えを感じている。

「1年次からロボットを作る授業があること、『ロボカップ世界大会』のロボットサッカーで分野別優勝していることなどが千葉工大を志望した理由です。1年の『ロボット体験実習』では、何を作るか悩んだ末、そりで階段を滑り降りることができる移動ロボットを作りました。将来は、人が行うには困難な作業を行えるロボットを作りたい」

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