モンキー・パンチさんの命を奪った急増する「誤嚥性肺炎」の恐怖 医師が指摘する“危ない習慣” (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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モンキー・パンチさんの命を奪った急増する「誤嚥性肺炎」の恐怖 医師が指摘する“危ない習慣”

秦正理週刊朝日#ヘルス
モンキー・パンチこと加藤一彦さん (c)朝日新聞社

モンキー・パンチこと加藤一彦さん (c)朝日新聞社

誤嚥性肺炎予防のために心がけたい4つの習慣 (週刊朝日 2017年12月1日号より)

誤嚥性肺炎予防のために心がけたい4つの習慣 (週刊朝日 2017年12月1日号より)

 女性は以前、誤嚥性肺炎を発症し、入院。食事をとれずにやせ細っていたという。誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物が食道ではなく、気管に入ってしまう「誤嚥」によって、肺炎になってしまう病気。食べ物などと一緒に口の中の雑菌が気管を通って肺に入ってしまうのが原因だ。

 五島歯科医師によれば、ものをごくりとのみ込む嚥下機能が衰えることで食事の量が減り、そのことでよりいっそう嚥下機能が衰える悪循環が生まれる。嚥下機能の衰えは誤嚥を招く。

「何か硬めのものがあれば、一口かんでもらえますか」。五島歯科医師の問いかけに、女性は手元にあったたまごボーロを3粒ほおばった。「かめます。かめます」。女性の目尻が下がった。

 診療時間は20分。「これまでは柔らかいものばかり食べてきたんです。食事の量も減っていて……。でも、これでいろんなものを食べられるようになります」。女性の柔和な表情に安堵した五島歯科医師は言う。「入れ歯をどんどん使ってください。僕はしっかり食べられる口にしますので」

「日本人の死因の1位と2位はがんと心疾患。そして3位が肺炎です。肺炎で亡くなる多くは高齢者。そのうちの7割が誤嚥性肺炎によるものです」

 そう説明するのは、呼吸器専門医で池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師。誤嚥性肺炎は自覚症状が少なく、気づきにくいそうだ。日常生活の中で注意して観察するべき点をこう指摘する。

「誤嚥性肺炎の兆候は、水の飲み方から始まります。水を飲む際に、むせるようになったり、うまくのみ込めなくなったりしたら要注意です。水だけでなく唾液も注意が必要です」

 そのほか風邪をひいたときの症状にも注意が必要だ。

「せきがいつもより長引いたり、体も重たく感じたら、誤嚥性肺炎の可能性があります」

 誤嚥と聞くと食べ物や飲み物にむせてしまうことを思い浮かべる人が多いと思うが、これは自身で気づくことができるため「顕性誤嚥」と呼ばれる。嚥下機能の衰えが主な原因のため、筋力が低下する高齢者に多い。だが、大谷医師はこう注意を促す。「誤嚥性肺炎でより重要なのは『不顕性誤嚥』なんです」

 不顕性誤嚥とは、就寝中に無意識のうちに、唾液が気管に入り込んでしまう誤嚥のこと。そのときに口の中の雑菌も併せて気管に流れ込んでしまう。

「不顕性誤嚥は高齢者に限らず起こりえます。嚥下機能が衰えていなくても、たとえばアルコール摂取でのどの筋肉が弛緩しているうちに寝れば、誤嚥する可能性はあります。気づかないうちに誤嚥を繰り返し、特に40代以上になると口が乾きやすく、唾液内に雑菌が増えるため肺炎になりやすい」


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