「巨人の衰退、広島の躍進」はなぜ起きたか? プロ野球“平成史” (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「巨人の衰退、広島の躍進」はなぜ起きたか? プロ野球“平成史”

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小島清利週刊朝日
平成31年、開幕セレモニーであいさつする広島の選手たち (c)朝日新聞社

平成31年、開幕セレモニーであいさつする広島の選手たち (c)朝日新聞社

平成元年、セ・リーグ優勝を果たし、胴上げされる巨人の藤田元司監督 (c)朝日新聞社

平成元年、セ・リーグ優勝を果たし、胴上げされる巨人の藤田元司監督 (c)朝日新聞社

 結局、再編は立ち消えたが、圧倒的だった巨人の発言力が弱まっていくきっかけになった。

 慶応大学理工学部の鈴木秀男教授は「プロ野球再編問題は、球団経営が地域重視へと舵を切るきっかけになった」と指摘する。

 鈴木教授の研究室では、平成21年から毎年1月下旬、プロ野球12球団のファンを対象にしたインターネットによる顧客満足度調査を実施している。年別のトップは、北海道が地盤の日本ハム(平成21~25年)、東北の楽天(26年)、広島(27、29~31年)、福岡のソフトバンク(28年)で、いずれも地域重視の経営姿勢が特徴だ。

 鈴木教授は「平成初期以降、テレビの地上波放送で巨人戦の中継が減少していき、それに頼っていたセ・リーグの球団経営が厳しくなる一方、球場に足を運んでもらうようなファンサービスを地道に展開していたパ・リーグが盛り返すきっかけになった」という。

 こうした中で、セ・リーグの広島は平成21年の新ホームスタジアムの建設を機に、「カープ女子」と呼ばれる女性ファンの誘致など、さまざまなファンサービスに力を入れ、顧客満足度を高めていった。

「MAZDA Zoom−Zoom スタジアム広島」(マツダスタジアム)は、80年代から球団職員をメジャーリーグのスタジアムの視察などにも派遣し、球場の活用の研究を重ねた末にできた特徴的な球場だ。

 フィールドのサイズは左翼101メートル、中堅122メートル、右翼100メートルと左右非対称。私設応援団や熱烈なファン向けのシートや砂かぶり席のほか、特徴のあるシートを導入した。好感度の高いものは残し、不評なら翌シーズンは変更する。今シーズンは、湯の張っていないバスタブに入って観戦するという「バスタベリア」を新設した。

 広島の球団広報は「人口が約120万人の広島市に、ここ数年は200万人を超える観客に訪れていただいている。今も昔も地元のファンに支えられた球団であり、これからも地域のファンに喜んでいただけるサービスを続けていく」と話す。


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