──この構想は、以前からあったのでしょうか?

 これはねぇ……昔からなんとなくアイデアは持っていたような気はするんです。ソロデビュー直後のものすごく勢いがあったころかな。もし舞台演出をするのなら、と考えていました。でも、そのころは(やろうとしても)うまくできなかったかもしれない。これをできるだけのキャリアを積んできたということですよね

──親子2代のファン、若い世代のファンも少なくありません。

 今、ツーブロックやロールアップ、ファッションも80‌’sばやりだしね、若い子からしたら、80年代って新鮮に映るみたいなんですよ。それに、それこそ子守歌じゃないけど、お子さんが物心つく前から聞いているはずだからね(笑)。親子でカラオケに行って、チェッカーズを歌ったりすることもあるみたいです。カラオケの映像の中には、年を重ねてない、あのころのままのチェッカーズがそこにいる。昔はそういうものを見るのはちょっと抵抗もあったのですが、今は、若いころの自分って、ピチピチしてていいな、なんて思ったりね(笑)

──曲作りやパフォーマンスで、ファンの求めるものを意識することもありますか?

 おそらくすべてのアーティストがそうじゃないですか。ただ、若いときのほうがターゲットを広く意識した気はします。ファンはもちろん、それ以外の人たちにも届くようにって。それが年齢を重ねるごとにファン以外の層も貪欲に狙っていこうという気持ちは薄くなっていきましたね。若い人たちがたまたま聴いて、いいなと思って流れてきてくれるんだったらそれはもちろんウェルカムですけれど(笑)。その点はポール・マッカートニーもローリング・ストーンズも、イーグルスも同じなんじゃないかと思います。

――最近ではKis-My-Ft2にも楽曲(「君を大好きだ」)を提供しました。

 ファンレターをいただいたんですよ、キスマイのファンの子から。『感動しました。その勢いで今、ペンを持ってます!』と(笑)。そこから僕の他の曲に興味を持ってくれる可能性もあるわけです。若いアイドルやアーティストの曲については、例えば“制服”など自分自身が歌う曲では使わない単語を歌詞に使えるし、その子たちが歌う気分になって歌詞を書いくのは好きなんですよね。きっと、涙の出所が違うんですよ。大人とは。そういう気分で曲を書けたりするのは面白い。

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東京人になった瞬間とは