大センセイ、沖縄の“てーげー”に戸惑う…いいのか、悪いのか (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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大センセイ、沖縄の“てーげー”に戸惑う…いいのか、悪いのか

連載「大センセイの大魂嘆!」

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山田清機週刊朝日#山田清機
イラスト/阿部結

イラスト/阿部結

 ところがビーチで紙袋を開けてみると、冷やし唐揚げのパックがふたつ入っている。しかも1パックに4個ずつ、合計8個。これで商売になるのだろうか?

 さらに、妻太郎がビーチ脇の売店に浮輪を借りに行くと、1日の使用料が500円、保証金が500円で合計1000円だという。

 売店ではうまそうなサーターアンダーギーを揚げていてひと袋300円と書いてあるから、浮輪代と一緒に精算してもらうと、

「うーん。600円ねー」

 本来1300円のはずだが、そこはセコイ大センセイである、気づかないふりをしてお金を払うと、

「持ってけー」

 これで保証金の500円を返してもらったら、出費はわずか100円である。

 沖縄好きの知人が、こういうのを「てーげー」と言うのだと教えてくれた。だいたいとか、適当とか、いい加減といった意味で使われ、語源は「大概」であるらしい。

 大センセイ、沖縄の人々のてーげーに直面して、ゆるゆるしていていいとは思ったけれど、そう言えるのは、すべてのケースにおいてこちらが得をしたからではないかとも思った。

 もしも代金を多めに請求されたり、釣り銭を少なめに渡されたりが続いたら、

「お前ら、大概にしろよ!」

 と怒ったんじゃないか。

 自分がてーげーじゃないのにてーげーを称揚するのは、ちょっと後ろめたい。

週刊朝日  2019年4月12日号


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山田清機

山田清機(やまだ・せいき)/ノンフィクション作家。1963年生まれ。早稲田大学卒業。鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立。著書に『東京タクシードライバー』(第13回新潮ドキュメント賞候補)、『東京湾岸畸人伝』。SNSでは「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれている

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