将来の目標では、学者・研究者が全体の2割を占め圧倒的。理Iは数学者、物理学者、化学者、理IIでは薬剤や生物の研究、理IIIでは研究医や脳科学者などが多かった。

 将来の目標は頼もしい。「物理学の研究者になって第2宇宙をみつける」(理I・女性)、「治療の難しい病気の特効薬を開発したい」(理II・男性)、「脳科学者として未解明のものを研究する」(理III・男性)などがあった。

 ここからは、入試前に食べた「勝負メシ・勝負スイーツ」について見ていこう。文系・理系ともに上位に入ったのは、「カツ」と「カツ丼」だ。「消化しにくく胃もたれしやすいので入試前は避けるべき」という専門家の見方もあるが、験担ぎは「心の栄養素」にもなる。文系でランクインした「ステーキ」もおなかに優しいとは言いがたいが、気合を入れるには良さそう。

 消化しやすい「うどん」や「おにぎり」も人気を集めた。手軽なエネルギー補給になっているようだ。

 理系では「鍋」がランクイン。様々な栄養を補給しやすく、受験生に適した食事と言える。

 スイーツでは、チョコレートやキットカットが上位に。チョコの成分は「集中力を向上させる」などと言われている。意外なのは「ラムネ」菓子。脳のエネルギー源となるブドウ糖を多く含み、受験生に受け入れられつつあるようだ。

 最後に睡眠時間は、理系は6時間以上8時間未満が約7割。全体の平均は7時間で、科類別に見ると理IIIが7.2時間で、理Iと理IIが7.1時間だった。文系と比較すると、文Iは7時間、文IIと文IIIが6.9時間で、理系のほうが睡眠を重視しているのかも。(本誌・吉崎洋夫、大学入試取材班)

週刊朝日  2019年4月12日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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