勉強時間のアンケートはよくあるが、睡眠時間はどのぐらい確保しているのだろうか。かつては4時間しか寝ない人は合格でき、5時間以上寝る人は不合格になる「四当五落」という言葉もあったが、6時間以上8時間未満が約7割を占めた。適度な睡眠は不可欠とも言えよう。

 オススメ参考書で最も多かったのは、教学社の「赤本」で、東大の過去問を科目別に27年分収録した赤本を薦める合格者が多かった。このほか、東大・文系対策の“定番”が浮かび上がった。「鉄緑会東大英単語熟語鉄壁」「文系数学の良問プラチカ」「荒巻の新世界史の見取り図」などだ。

 将来の目標は、やはり国家公務員や外交官が多く、裁判官や弁護士など法曹界、政治史や西洋音楽史などの研究者との回答も目立った。それ以外には「起業して発展途上国の人々を支援したい」「国際通貨基金か世界銀行で働くこと」など、志が高い回答が続いた。

 尊敬する歴史上の人物ではビスマルクが最多で17人。次いでナポレオン、徳川家康、織田信長が16人。ガンジー15人、伊藤博文13人、杉原千畝11人、大久保利通10人と、新しく国を作った人物や困難に立ち向かった人物に人気が集まった。(本誌・吉崎洋夫、大学入試取材班)

週刊朝日  2019年4月5日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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