――今日の練習(3月18日午前の公式練習)では、すごくテンションが高く、調子がよくなったように見えた。練習で感じたことや観客の前で滑った感想は? また、さいたまスーパーアリーナのリンクで滑ることへの思いを聞きたい。

羽生:まず、このさいたまスーパーアリーナで滑ることについて。世界選手権は、ソチオリンピック後に優勝できた大会です。会場の雰囲気も(優勝した2014年当時と)完全に一致してはいませんが、感覚が似ているところもあり、自分自身が非常に気持ち良く試合に臨めています。

 公式練習に関しては、調子のいい悪いは別として、まず今日のメインリンクの練習でやりたかったことができ、感じたかったことを一つひとつ感じることができたので、そういう意味ではミッションコンプリート(笑)なんていえばいいんでしょうかね。やりたかったことがすべて達成できたという意味では、本当に感覚がよく滑れたのかと思います。

――けがは、右足首という意味では平昌のときと同じ。もちろん箇所は違うと思う。この4か月間、平昌までの準備を経験としてうまくいかせたところがあったか。

羽生:そうですね、うまく生かせたと思っています。やはり自分の中で、一番大切だった……だった(過去形)なんですけど、今は。今一番大切なのは世界選手権なので。あのときに一番大切な試合だったオリンピックで優勝できた、ほぼ納得できるような演技ができたうえで優勝できたというののが、すごく自信になっています。

 試合に出られなかった期間も含めて、どのように試合に向けて気持ちを作っていけばいいか、どういう風に日々を過ごしていけばいいか、また、その中でけが明けというのがどれだけ苦しいものかということも経験したうえで、今回の準備だった。もちろん月日は1カ月ほど短かったのですが。今大会の準備は、気持ちは楽ではなかったけれど、(平昌五輪での)いい経験をしたうえでのことだったと思っています。

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宇野が羽生の視線を感じて「フフフフ」