検証委員会を立ち上げる河村名古屋市長(C)朝日新聞社
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藤田和秀・自民党市議【セクハラ暴言音声データはこちら】
藤田和秀・自民党市議
【セクハラ暴言音声データはこちら】
減税日本ナゴヤの田山宏之市議
減税日本ナゴヤの田山宏之市議

 本誌が入手した音声データーなどで名古屋市議会の行政視察の場で暴力、パワハラ、セクハラなどのトラブルが持ち上がっていることがわかった。河村たかし名古屋市長(70・減税日本代表)は本誌の取材に対し、こう主張した。

【音声データ入手】「チューしよ」「クズ」などと暴言連発! 音声はこちら

「議員らの行為は暴力にセクハラ、パワハラに相当する。市民の税金を使った公務で行った行政視察ですよ。市長として、こんな市議会で恥ずかしい。市民に申し訳なく思う」

 トラブルが持ち上がった行政視察は昨年11月19日と20日に行われ、名古屋市議会議院運営委員会の市議たちと事務局の名古屋市職員約20人が参加していた。神戸市内の中華料理店で意見交換会を開催した19日夜、市議と市職員は4つの円卓に分かれて意見交換会がスタートしたが、この時、藤田和秀・自民党市議(55)と減税日本ナゴヤの田山宏之市議(60)の間でトラブルが勃発した。

 本誌が入手した録音データによると、会が始まって40分ほどが経過した時、「おい、クズ、クズ、クズ」と自民党の藤田市議が減税日本の田山市議に暴言を吐いた声が残っていた。

 その後、パチンという音がして、減税の田山市議が「頭叩いたらダメでしょう」「痛い、痛い、頭叩いたらダメって」と抗議する声も録音されていた。すると、自民の藤田市議は「こっち来い」「何を言うんだ、お前」「表に出てこい」「減税日本のクズ幹事長がキレています」とさらに挑発。周囲からは拍手も上がり、乱闘寸前の雰囲気になっていることがわかる。とても、市議会の意見交換会とは思えない状況だった。

「まあ、悪かった」

 別の自民党の市議らしき人物が、減税の田山市議に謝罪する声も録音されていた。本誌は田山市議を取材し、録音データを確認してもらった。

「この録音データが、昨年11月の行政視察のものであることは間違いありません。パチンと音が入っているのは、藤田さんからおでこのあたりを叩かれた音。そのあと、鼻のあたりも叩かれました」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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自民党市議のセクハラ発言とは